「トマノさん、あの思い出と一緒に行くんだね」「私はいけません」「どうして?あの写真の中の思い出の時間じゃない、苫野さんが想ってたもの全部あそこにあるんだよ、なのになんで?」
「こんなふうに見て、初めて分かりました」「あれは皆、あそこにいる私、あの時の私のものなんです」「あの時間をもう一度生きることは出来ない」「一度きりです、そうどんな一瞬も一度きりです」
「一度っきりだから忘れない……一度っきりだから、空っぽになるぐらいなにかに本気になったりする」いやー名作だわ。コスモスはほとんど出番なし、ウルトラQでも通用する話。
でもコスモスらしい優しいお話。ウルトラQのあけてくれ!を思い出したけど、あちらの現実逃避が空想なのに対してこちらは在りし日の過去、だけど過去にいるのはあの時の自分、全ては一瞬、一度きりの出来事、でもだからこそ精一杯人生を生きる。そういう当たり前だけど大切な事を思い起こさせ、見事にお話として現したこの話は傑作回といってもいいと思う。